1.応急処置とは何か?

スポーツをやっている人にとってケガはつきものと言っていいでしょう。「ケガをしないというのも実力のうち」などとも言われていますが、不慮の事故によるケガなどは、何とも避けられないものです。ケガが起きれば当然お医者さんに診てもらうことになりますが、いつも競技場や練習場所にお医者さんがいるわけではありません。
そんなとき、お医者さんに診せるまでの間、ケガを悪化させないで、できるだけよい状態に保っておく方法が「応急処置」です。この応急処置を適切に行うと、短期間に治すことに大変役立ちます。一方、応急処置をしなかったり、適切でなかったりすると、症状が悪化したり、ケガが治るのに時間がかかったり、場合によっては取り返しのつかないことも生じます。
この特集では、スポーツ現場で起こるケガや体調の変化などへの「応急処置」のポイントを集めてみました。

軽いケガにはRICE

RICE(ライス)とは、次のことを意味します。
●Rest レスト=安静、ケガしたところを動かさないこと
●Ice アイス=冷却、氷で冷やすこと
●Compression コンプレッション=圧迫、包帯などで圧迫すること
●Elevation エレベーション=挙上、ケガしたところを心臓より高い位置に保つこと

このRICEは、打った(打撲)、ひねった(ネンザ)など、スポーツでよく起こるケガの多くに対応できる方法です。RICEをすると、痛みや腫れがひどくなるのを防ぎ、治りも早くなります。
気をつけなければならないのは、冷やしすぎ、圧迫しすぎですが、これについては、次の項で詳しく述べます。
また、これはあくまで「応急処置」であり、「治療」でありません。RICEのあとは必ず整形外科かスポーツ医を受診してください。

2. RICEのやり方
●STEP1
“R”Rest(安静)
ケガをしたところを安静に保つ
ケガをしているときに無理に動かしたり、足首や膝だと体重をかけるようなことをすると、痛みが増したり、ケガが悪化することがあります。ケガをした人をすわらせるなどして、患部を動かさないように、体重がかからないようにしましょう。ここで無理をさせると、「ケガが長引く」ことになります。
REST
痛まない姿勢で患部を休ませる
ICE
なるべく直接氷をあてずに、
アンダーラップを巻いたり、
アイスパックをタオルでくるむ
●STEP2
“I”Ice(冷却)
氷で冷やす
痛みを軽くし、内出血や炎症を抑えるために、患部およびそのまわりを氷で冷やします。最も一般的なのは、ビニール袋のなかに氷を入れて患部にあてるという方法です。この方法の欠点は氷が必要だということです。できれば、練習場や試合場にいつも氷を持参するように工夫してください。
氷をあてていると、ピリピリとした痛みがでてきて、やがて無感覚になります(約15〜20分)。そうなったらいったん患部から氷をはずし、再び痛みがでてきたらあてます。 これを24〜48時間は続けます。
最近では、RICE用品がいくつか市販されています。握りつぶすと冷えるもの、ゲル状で冷蔵庫で冷やして用いるもの、スプレーのものなど様々あります。これらは上手に用いると便利ですが、欠点は「氷より高価」であることと、ものによっては冷えすぎに注意するということです。
注意!
冷やしすぎると凍傷になる恐れがあるので、氷を直接あてずに、患部をアンダーラップで巻いたり、アイスパックにタオルを巻いてからあてるようにするとよいでしょう。凍傷を起こすと、治療が難しくなることがありますから、くれぐれも注意しましょう。
●STEP3
“C”Compression(圧迫)
圧迫する
出血・腫れをふせぐために圧迫します。STEP2の前に行う場合もあります。氷を患部に固定するときに同時に行ってもよいでしょう。足首のネンザなどで腫れをひどくすると、痛みが強くなり、またそれだけ治るのに時間がかかります。弾性包帯(伸縮包帯)やテーピングなどで患部を、圧迫しながら巻きます。足首のネンザなどでは、パッドを圧迫したい部分の形に切って、患部にあてて、その上から弾性包帯やテーピングで巻く方法も用いられています。
COMPRESSION

患部にパッドなどをあてて
弾性包帯やテープで強く巻
く、ときどき指先などをつ
まんで感覚や皮膚・爪の色
をチェック

注意!
圧迫が強すぎると、血流を悪くしたり神経を圧迫することがあるので、巻く強さを加減しましょう。患部の先が青くなったりシビレがでたら、いったんゆるめて青みやシビレがとれてから再び圧迫します。RICEをしている間は常に、圧迫している部位から先の手、足の指の色や感覚をチェックします。
ELEVATION
手ごろな高さのものの上に患部
をのせて、Elevationを続ける
●STEP4
“E”Elevation(挙上)
患部を持ち上げる
ケガをしたところを、できるだけ自分の心臓よりも高い所に持ち上げます。こうすることで内出血を防ぎ、痛みも軽くなります。いすや台、クッション、まくらなど、手頃な高さのものをさがして、患部をのせておくとよいでしょう。

 

 

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