
ミヤウチ建設株式会社は山形県寒河江市を拠点に地元に根差し、土木工事業のうち橋梁補修、補強、トンネル補修の分野に特化した施工・管理・コンサルティングを行う企業です。

橋梁補修に長年の経験と実績を持つミヤウチ建設株式会社に、炭素繊維シート格子接着工法での「せこたん™積層養生テープ」活用事例をお伺いしました。
格子接着工法の問題点
炭素繊維シート格子接着工法では窓部を作り、コンクリート素地を目視確認できるようにする必要があります。「コンクリート床板に養生テープを貼り、不陸修正材や炭素繊維シートに含浸させる接着剤などの樹脂が硬化する前にテープを剥がす」、この繰り返し作業は現場の大きな負担になっていました。また、作業者に対して養生テープの貼付方法を事前に説明しても、実際に施工してみると作業者によって貼り方やテープの重ね方が異なってしまい、スムーズにはく離できないなどの問題点がありました。
〔従来作業の問題点〕

- テープのカット・貼付を繰り返して窓部を養生する必要がある
- 施工者によって重ね方が異なり、スムーズにはがすことができない

- 窓部の数だけテープを貼る、はがす作業が必要になる
- 天面を向いたままの長時間作業は負担が大きい
施工短縮、作業の標準化を実現した「せこたん™積層養生テープ」
これら問題点への対応を検討していたところ、同業他社より「せこたん™積層養生テープ」を紹介され、採用してみました。テープを使う点は変わらないので本当に作業改善効果があるのか、半信半疑ではありました。従来の養生テープでは3回の貼り直しに最も時間と労力を要しますが、「せこたん™積層養生テープ」は4層分の養生テープがあらかじめ積層されているため、貼付作業が最初の1回で済み、あとは4回はく離するだけですので大幅な工期短縮につながりました。また、1層毎に色の異なる養生テープで構成されているため、視覚的に統一した方向での貼付がしやすく、施工者による貼り方のばらつきがなくなり、はく離作業の効率化を実現することができました。

事例 山形県内 橋梁補修工事
窓(コンクリート素地)の大きさを150mm角にするため、窓に対して両端10mmのマージンを確保できる130mm幅の「せこたん™積層養生テープ」を使用し、以下の手順で施工しました。
- ①コンクリート表面をブロワーなどで清掃し、念のためテーププライマーを塗布
- ②事前に130mm角に裁断しておいた「せこたん™積層養生テープ」を貼付
- ③プライマー、不陸修正材を塗布した後、1層目(最上層)をはく離
- ④含浸接着樹脂を用いて主鉄筋、配力筋方向にそれぞれ炭素繊維シートを貼付
- ⑤各方向の含浸接着樹脂硬化前に2層目、3層目をはく離
- ⑥中塗り、上塗りの順に塗布し、4層目(最下層)の中央部にカッターで切り込みを入れてはく離
施工面積2,100㎡に対し、従来法での予定工期は2025年4月~8月中旬でしたが、「せこたん™積層養生テープ」による養生工程の効率化により、6月末の工事完了が見込まれ、大幅に施工期間を短縮することができました。平均8~9人/日の施工者を動員していたため、労務費の削減効果が大きいことも実感しています。



総括
「せこたん™積層養生テープ」を使用することで、炭素繊維シート格子接着工法の施工短縮(せこうたんしゅく)、作業の標準化を進めることができました。
- 作成協力
- ミヤウチ建設株式会社
- 所在地:〒990-0505 山形県寒河江市白岩821番地の1
- 作成
- ニチバン株式会社 工業品営業統括部
お使いいただいたのは・・
せこたん™積層養生テープ
連続繊維シート接着工法(格子貼り)における養生材の「貼付・カット」が1回で済む4層構造のテープです。
- NETIS登録番号
- KK-230073-A
- 技術名称
- 連続繊維シート格子接着工法に用いる積層養生テープ

仕様
品目:CM-9041
品名 | せこたん™ 積層養生テープ |
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基材 | ポリエチレンクロス(1層目、2層目、3層目) スフ+再生PET(4層目) |
粘着剤 | アクリル系(1層目、2層目、3層目) ゴム系(4層目) |
剥離紙(種類) | ポリラミ紙 |

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