ニチバン株式会社、サイントル株式会社と肺疾患の早期発見に向けた
ウェアラブルデバイスに関する共同開発契約を締結

ニチバン株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:高津 敏明)は、スキンエレクトロニクスの技術を利用して生体情報等の解析を行うサイントル株式会社(所在地:東京都文京区、代表取締役社長:伊藤 秀明)とウェアラブルデバイスに関する共同開発契約を締結いたしました。両社は、世界的に有病率が高く、簡便な早期発見のツールがない慢性閉塞性肺疾患(COPD)などに関して、呼吸運動を可視化することで、早期発見を容易にするウェアラブルデバイスの開発を進めていきます。

【開発の背景・概要】

COPDはタバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することなどにより生ずる肺疾患です。日本COPD疫学研究(NICEスタディ)によると日本でのCOPD患者は40歳以上の人口の8.6%、約530万人と推定されていますが、そのうち約500万人が未診断または未治療の状態にあると考えられています。COPDの認知度の低さや初期には自覚症状が乏しいことから発見が遅れやすく、発見時には症状が進行しているケースも少なくありません。このような背景から、厚生労働省が推進する「健康日本21(第三次)」においてCOPDの早期発見・重症化予防を重要な目標の一つに掲げています。

この課題に対して、ニチバン株式会社の医療現場等で実績のある粘着技術と、サイントル株式会社の強みであるスキンエレクトロニクスに関連するノウハウを掛け合わせて、COPDの早期発見に向けた貼付型のウェアラブルデバイスを開発いたします。このセンサは有機エレクトロニクスの第一人者である東京大学 染谷隆夫教授の提唱する薄型センサ技術を応用したものであり、胸部に貼るだけで呼吸運動を可視化することが可能となります。

製品イメージ
使用イメージ
【共同開発するウェアラブルデバイスの特長】
誰でも簡単に胸に貼るだけで呼吸状態を測定
COPDの早期発見と、確定診断に必要なスパイロメトリーのように、専門機器や検査者側の技術が要らず、患者および検査者の検査負荷を大きく減らすことができると期待されます。
有機光学素子による呼吸、脈拍の同時連続測定
独自の薄型センサ技術により、生活の中での簡易検査の実現に貢献できます。
肌に優しい粘着テープを採用
絆創膏等で実績のあるニチバン独自の粘着技術で貼付型デバイスを実現します。
【今後の展開】

両社は、2026年に一般医療機器として、医療機関、自治体を中心に試験販売を実施し、2027年に本格量産を目指します。
本デバイスを用いて今後はCOPDへの適用のみならず、慢性呼吸器疾患や呼吸器機能障害を呈する様々な病態、呼吸運動のモニタリングなどへの応用展開を進めてまいります。
なお、本センサの開発にあたり信州大学医学部安尾将法教授及び神戸大学大学院保健学研究科石川朗特命教授にご指導をいただいており、臨床研究を信州大学医学部付属病院にて進めております。今回、その成果の一部を第75回 日本病院学会(2025年7月24~25日 出島メッセ長崎)にてご講演いただく予定です。

お問い合わせ先

お問い合わせ窓口

ニチバン株式会社 経営企画室コーポレートコミュニケーション部
Tel:03-6386-7190
受付時間 9:00~12:00、13:00~17:00(土・日・祝日除く)

【サイントル株式会社について】

東京大学・染谷隆夫教授の提唱するスキンエレクトロニクスの関連技術を、さまざまな研究機関やパートナー企業と連携しながら、医療・介護・ヘルスケア業界に提供するスタートアップ企業です。最近では、災害時の避難所における健康管理支援システムなど革新的なサービス開発にも取り組んでおり、人の生活に関わる様々な分野において、最先端のテクノロジーを社会課題の解決に役立てていきます。

会社概要
社名 サイントル株式会社
所在地 〒113-0033 東京都文京区本郷五丁目28番3号
創業 2018(平成30年)年11月
代表取締役社長 伊藤 秀明
HP

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