乳房再建手術後における手術後の傷あとケアテープ
「アトファイン」の有用性

日本では乳癌罹患率が年々増加し、日本人女性が乳癌に罹患する確率は10.6%、(9人に1人)*という状況にあります。乳房再建は、乳房切除による乳房の喪失感を軽減することで患者さんのQOL向上を目指した治療方法の一つであり、2013年ブレスト・インプラントの保険適応以降手術件数は増加しています。また、社会生活を送りながら癌治療を受けられる患者さんが増え、治療に伴って生じる外見の変化に対するアピアランスケアの必要性も高まっています。
今回、三井記念病院 形成外科・再建外科 科長 棚倉健太先生に乳房再建のポイント、手術後の傷あとのケア方法についてお話を伺いました。
*国立がん研究センター がん情報サービス がん登録・統計 最新がん統計2017年

乳癌治療の根治性と整容性
乳癌治療の根治性と整容性

乳房再建は乳癌治療の一環であり、乳癌治療の根治性が担保されたうえではじめて整容性の追求は成り立つものです。当院でも2020年の乳腺センター設立以降、これまで以上に緊密に形成外科医と乳腺外科医が連携し、安全な一次再建を提供しています。

乳腺手術、再建手術後の傷あとケアに「アトファイン™」
乳腺手術、再建手術後の傷あとケアに「アトファイン™」

肥厚性瘢痕やケロイドの予防方法の一つに、サージカルテープで傷あとを固定するテープ療法があります。
サージカルテープの貼付は簡便ながらも、しなやかさに欠け、入浴によってはがれやすくなり、頻回な交換を必要とします。また、一定数の患者さんにはかゆみやかぶれが出現し、サージカルテープによる傷あとケアが継続困難になったり、瘢痕上の表皮剥離により、むしろ新しい傷を作ってしまったりするような症例も散見されました。乳房再建、特に組織拡張器(TE)挿入術後は、持続的に拡張を行うことから、テープ療法は3か月から6か月に及びます。また、乾燥しやすいため、保湿等のスキンケアも欠かせません。

アトファインは皮膚の伸展は抑制しながらも追従性は良好で、皮膚への負担も低減されているように見受けられました。もともと肌の弱さを自覚されている患者さんで、10種類ほどのテープをご自身で試されている方もいましたが、アトファインは問題なく継続できていました。また、病棟での独自の取り組みとして、本格導入前に数名の看護師自らが胸部にアトファインを貼付し、テストしました。その結果、貼り心地に問題がなく、皮膚刺激が少ないことが確認され、おおむね高評価でした。これらの経験から、肌の弱さを自覚されている患者さんには第一選択としてご紹介し、院内の売店で常時取り扱うこととしました。当院乳腺センターでも乳腺外科医や乳がん看護認定看護師などチーム連携のもと、乳腺手術および再建手術の方へ傷あとケアの啓発を行っています。

症例 40代女性
症例 40代女性

左乳癌術後、二次TE挿入による乳房再建

乳癌に対し全乳房切除術後2年で再建の希望があり、受診された。
まずは、二次的に組織拡張器(TE)を挿入した。使用したTEは幅12cmの高さがfullで突出度が高いものを選択した。
軽度の下垂のある大きめな乳房の再建であり、肥厚性瘢痕が懸念されたが、術後1週間からアトファインを貼付することで回避でき、6か月の貼付でも皮膚トラブルはなかった。
今後、シリコーン・ブレスト・インプラント(SBI)による乳房再建術を予定している。

二次TE挿入術から1週間
術後1週間からアトファインを貼付
貼付開始から1か月後
貼付開始から6か月後
460㏄の拡張でもwide scarとならなかった
貼付開始から6か月後
形成外科における乳房再建
形成外科における乳房再建

乳房再建術は、術式としては大きく分けてSBI再建と自家組織再建に分けることができます。また、手術機会としても一次、二次が存在します。
前提として、まず、術者の好みによらない、それぞれの再建法のメリット、デメリットを適切な形で情報提供することが必要であると考えます。
当院では、再建希望の患者さんには一般の方向けにおこなった乳房再建セミナーでの講演動画を視聴いただくことで、それぞれの再建法について均質な情報提供をおこなっております。

SBI再建は簡便で低侵襲な半面、短期的には感染、長期的には被膜拘縮や破損といった晩期合併症が問題となります。一方で自家組織再建は、短期的には高侵襲で負担が大きい半面、長期経過は安定しており、下垂等の形態再現性の自由度も高い術式です。

これらの特徴に、患者さんのライフスタイル、ライフステージが加味されたうえで術式選択がなされるべきであると考えています。例えば、40代で仕事や育児に多忙な頃はSBI再建のもたらすメリットは計り知れないものがあります。しかし、同じ方でも、15年経過しSBIの入替を考慮するようなタイミングでは、以前にはなかった自分のために使える時間が生まれ、難しかった自家組織再建が十分に選択肢に入ってくるかもしれません。患者さんの人生に寄り添った乳房再建が必要と考えています。
また、乳房再建は提供する形成外科医がまだまだ少なく、地域格差がとても大きいことが知られています。現在でも乳房再建自体がほとんど行われていない県もあるのです。これは、より複雑な術式となる自家組織再建でさらに顕著です。今後も形成外科医に対する教育・普及と、患者さんや一般の方に対する啓発活動を両輪として取り組んでまいりたいと考えております。

(2021年6月現在)

当ページは、当社発行ケースレポート「乳房再建手術後における手術後の傷あとケアテープ「アトファイン」の有用性」(2018年)より、抜粋・一部変更しております。

Case data 社会福祉法人 三井記念病院
開設年
1909年
所在地
〒101-8643 東京都千代田区神田和泉町1番地

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製品紹介

アトファイン

手術後の傷あとケア専用テープ。肥厚性瘢痕・ケロイドの要因となる伸展刺激・摩擦刺激・紫外線から「傷あと」を守ります。

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