100周年記念座談会
次の100年も、社会に価値を提供し続けるニチバンであるために

  • 石原 達夫
    社外取締役(弁護士)
  • 清水 與二
    社外取締役(元株式会社アサツー・ディ・ケイ代表取締役)
  • 堀田 直人
    代表取締役社長

(所属・役職は開催当時のもの)

社外取締役からみた、ニチバンへの評価をお聞かせください。

清水
「セロテープ®」や「ケアリーヴ」に代表される高品質な製品、そして小型丸形でユニークな形状の「ロイヒつぼ膏」のようなオンリーワン製品など、競争力のある多彩な製品を持つことがニチバンの強みだと考えます。2015年にコーポレートガバナンス・コードが導入され、社外取締役、社外監査役と、外部の視点が加わるようになったことで、取締役会によい緊張感が生まれ、議論も活発になってきていますね。
石原
私は社外取締役に選任されるまでニチバンとは全く関わりがなかったのですが、そんな門外漢の私を、取締役をはじめ社員の方も仲間として迎えてくださり、また意見や発言も分け隔てなく受け入れてくださるところに、ニチバンの特質、そして100年企業としての根底があるように思います。私は弁護士ですが、経営者の視点でみる会社と弁護士の視点でみる会社とは、別物だと思っています。弁護士は、法律というものさしに従って問題を解決しますが、経営者には必ずしも決まったものさしはなく、その時々で最良の選択をすることが求められますね。ですから、ご自身も経営者であった清水さんとは異なる観点・視点から取締役会の幅を広げていくことが、私の務めだと考えています。
堀田
おかげさまで、2018年1月に、当社は創業100周年を迎えることができました。日本では100年を超える企業は“老舗”と表現されますが、その仲間入りができたことについては、ステークホルダーの皆さまへの感謝が尽きません。この感謝の意を、持続的・発展的な事業活動によってお返しするとともに、今後ますます社会への責任を果たしていくためにも、今まで以上に社外からの鋭いご指摘をいただきたいと考えています。

ニチバンが果たしていく社会的責任(CSR)とは、どのようなことだとお考えですか?

堀田
本業を通じたCSRという意味では、お客さまが期待する製品をご提供し喜んでいただくことが、当社の一番の使命だと考えています。そのために必要なのが、「開発力」です。開発力を基盤としながら、「自社の中で技術を創り出し、製造し、自ら売る=“メーカー”であり続けること」は、変化を続ける中でも変わらずに持ち続けるべき当社の姿勢だと考えます。
石原
創業時より培ってきた粘着技術に、いかに汎用性を持たせるかを考える段階にきていると思います。絆創膏の製造に始まり、医療、文具・事務用品、産業と事業分野を広げてきましたが、粘着技術にはまだまだ無限の広がりがあるはずです。
清水
環境面では、低炭素社会の構築に向けてアクセルを踏み込んでいかなければならないでしょう。2015年に採択されたパリ協定には、190カ国が署名していますが、この分野への対応の遅れは、企業活動が制約を受けることにもつながりかねません。2040年には、ヨーロッパではガソリン車が走れなくなると言われており、電気自動車の開発が進みました。しかしこれは一朝一夕でできるものではなく、莫大な投資も必要です。当社としても、地球温暖化防止や温室効果ガスの削減に向けた技術開発が急務です。
堀田
粘着テープを製造する事業者としては、大気・土壌・水質汚染をもたらす可能性がある溶剤についての課題があります。以前より注視し使用量削減を進めていましたが、2018年4月に、「溶剤を使用しないニチバンのあり方を検討するためのプロジェクト」を立ち上げました。このプロジェクト内で具体的な目標を定め、スピード感を持って取り組んでいきたいと考えています。

人財育成については、どのようにお考えですか?

堀田
当社の社員はとても真面目です。一方、私の目からみると少々おとなし過ぎるという印象もあるので、次の100年に向けて変化・進化を続けていくためには、会議体や報告会、日々の業務の中でもっと議論を交わしていけるような活発さも必要だと感じています。
清水
私自身が経営者であった経験と照らし合わせても、「企業は人なり、最後は人なり」だと思います。少子高齢化により生産人口が減少し、人財確保も困難になってきている中で、いかに人財育成を進めていくかは大きな課題です。業務を細分化し外部に委託するとしても、技術の流出や利益低下は防がなければなりません。自社で行うべき重要な部分でいかに社員の能力を発揮するか、そのためにどのような育成を行うべきかを考えていく必要があります。
堀田
「人財」という言葉が表すように、社員は当社の財産です。一人ひとりが能力を高めていくことが社会への価値創出につながるという考えのもと、社員の「挑戦したい」という意欲をサポートできる仕組みを構築していきます。また、世界を視野に入れた育成も必要です。グローバルというとまず英語力を身につけることが挙げられますが、私はそれだけではないと考えています。自分の仕事、ニチバンの仕事、さらには日本という国のことを、世界に向けて自分の言葉で紹介できる。これが真のグローバル人財なのではないでしょうか。このような点からも、社員の能力向上を推進していきます。

ガバナンスに関する考えをお聞かせください。

石原
ニチバンに限らずどの会社にあっても、その組織がよって立つ基盤やルール、培われてきた歴史があります。これらに従って業務を忠実に行っている限り、ガバナンスやコンプライアンスの問題は発生しないはずなのです。一方、本来踏むべき手順を飛ばしてしまった時など、イレギュラーな事態が起こります。その理由はさまざまあると思いますが、人間が行うことですから思い込みや見落とし、あるいは怠慢など、100%ないとは言い切れません。個々人の意識を徹底するとともに、人間は過ちを起こすかもしれないという前提で、ルールを守るためのチェック機能を強化することで、健全かつ透明性のある経営を遂行できると考えます。
堀田
法に則るのは当然のこととして、まずは500億円企業を目指すという、当社の身の丈にあった施策を検討・立案・実行していきます。その上でさらに、一歩先行した仕組みや考えを取り入れながら、ガバナンス体制の強化に努めていきたいと考えています。

次の100年に向けての展望・課題をお聞かせください。

堀田
これまでの100年は主に国内を中心に事業を行ってきましたが、今後はグローバルに展開していかなければ立ち行かなくなるでしょう。現時点で当社の海外展開は、日本企業の中でも遅れをとっていると言えます。これは喫緊の課題です。
石原
乗り越えるべき課題はあると思いますが、これから本格的にグローバル市場に打って出るということは、世界一優秀な製品を世に送り出すチャンスがあるとも考えられます。近年好調なヘルスケア製品は、まだまだ伸びしろがあるように感じますし、手術に使用されるテープなど、今後の社会でより一層必要になるであろう医療分野においても、粘着技術への需要は高まっていくのではないでしょうか。
清水
現在、世界ではIT分野が基幹産業となっていますが、その後には再生医療の時代がくると言われています。再生医療は日本が強みとしている分野なので、その周辺の医療材へのシーズに可能性を感じています。さらなる研究・開発を進めている経皮吸収型製剤もそのひとつですね。今こそ、先を見据えた開発が必要です。
堀田
メディカル事業とテープ事業の比率が同等になるのが、ニチバンとしての理想の姿だと考えています。現在はメディカル事業が好調で、昭和から平成に変わる頃に生み出した製品が牽引しています。一方、テープ事業では平成に入ってから大きく育った製品がありません。「セロテープ®」、「ナイスタック」、「たばねら」などは、発売から40年以上が経過しています。これらに代わる新しいテープを、創業当時のようなスピード感をもって育てていきたいと思っています。
清水
どのような企業でも、既存事業は成長が止まり衰退する流れがあります。その時に、次の一手をどうするか。ニチバンは粘着に関する素晴らしい技術を持っているので、その技術をベースに、どの分野に狙いを定めるかという判断が求められています。
石原
2018年1月に竣工した「先端技術棟」の中に設置した、「先端応用研究所」での挑戦に期待したいと思います。100年という長い歴史と伝統を踏襲しながら、その上にいかに新しい技術を積み重ねていくか。「新しい酒は新しい革袋に盛れ」ということわざがありますが、新しい酒こそ古い革袋に入れ、新旧を調和させてより良いものを作っていく、そんなニチバンであってほしいですね。
清水
「人にやさしい技術」「環境にやさしい技術」「新しい価値の創出」を、現在推進している中長期経営計画【NB100】のビジョンでもうたっていますが、これはまさに「歴史と伝統」の上に成り立っていますね。「ケアリーヴ」に代表される肌へのやさしさ、天然由来の素材を使用している「セロテープ®」の環境へのやさしさ。これらの技術から、新しい価値を生み出しているところに、ニチバンとしての企業価値があるのではないでしょうか。これは、昨今のESGの考え方とも一致しています。
堀田
粘着テープとして「よく付く」ことが基本ですが、安心して使っていただける製品を生み出すという精神は、これまでも、そしてこれからも変わることはありません。安心・安全であることを評価されての現在のニチバンであることを強く意識しながら、より差別化した製品を生み出していきたいと考えています。
石原
そのための提言として、社長が話された通り、社員がもっと活発に意見を発信していける企業風土を醸成できるとよいですね。取締役会も現在の形から一歩前進させ、各取締役が自分が主管する部門の現状、細かくいえば、現場が今求めていること、困っていることを吸収して取締役会に議題としてあげ、社長が持つ見識や方向性と調和させながら意思決定をしていく。この実現に向けて、社外取締役としての責任を果たしていきたいと考えています。
清水
人間が本来備えているべきものである「真面目さ、実直さ」を社員が持ち合わせているからこそ、ニチバンは100年続いてきたとも言えます。ここに積極性が加わると、次の100年もニチバンは競争力を持ち続けられると思います。
堀田
私は、企業が50年、100年と存続することが、最大の社会的責任だと捉えています。当社の基本理念には、「ニチバンにかかわるすべての人々の幸せを実現」というフレーズがありますが、まず一番に社員がいつも笑顔で、働きがいや、やりがいを感じられることを大切にしたいと考えています。なぜなら社員自身が幸せであるからこそ、よい製品をお客さまにお届けし、すべての人々を幸せにすることができると思うからです。絶え間ない「企業品質」の向上を目指しながら、今後も、この幸せの循環を作り上げていきます。

(所属・役職は開催当時のもの)

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