サステナビリティマネジメント

基本的な考え方

当社グループは、「私たちは絆を大切にニチバングループにかかわるすべての人々の幸せを実現します」という基本理念を掲げています。この理念の根底にあるのは、まずは社員が幸せを感じられる環境をつくり、その幸せをすべてのステークホルダーにつないでいく、という考えです。当社グループのサステナビリティは、創業から脈々と受け継がれてきた理念の実現を基盤としています。

推進体制

ニチバングループは、ステークホルダーの皆様からの期待や社会の要請に応えていくために、サステナビリティ全般にかかわる基本方針、重要事項、リスクや機会などを検討、審議する組織として、CSR 担当取締役を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しています。サステナビリティ委員会での議論内容は取締役会に年1回上程、報告され、取締役会が監督、指示を行います。また、この委員会で抽出された気候変動による事業継続リスクは、BCP 委員会にて具体的な対策を検討します。

サステナビリティ委員会における重要検討事項等

  • 適切な非財務情報開示の管理
  • 二酸化炭素排出削減に関する取り組みの管理
  • 人的資本経営に関する取り組みの管理

マネジメント

2022年度より、サステナビリティやSDGs に関連する「人権方針」「健康経営方針」「購買方針」を新たに策定しました。これには社会に対してだけではなく、ニチバングループの社員の健康と幸せを実現するさまざまな施策も含まれます。

ニチバングループの価値創造プロセス

ニチバングループは「基本理念」の基、価値創造の源泉となる6つの資本を、強みである「粘着技術」に活かし、ステークホルダーの皆様と新たな価値を共創しています。この価値創造プロセスにより、サステナブル社会への貢献、さらにはグローバルな環境変化に対応できるレジリエンスを高め、中長期的な企業価値の向上を目指していきます。

2024年度の価値創造プロセスについては、当社WEBサイトでの公開を予定しております。

公開時期
2024年8月
公開場所
当社WEBサイト 2024年度版統合報告書にて公開
https://www.nichiban.co.jp/corp/sustainability/report/別ウィンドウで開きます

マテリアリティの特定

ニチバングループの事業活動によって影響を与える重要課題を再整理し、ステークホルダーにとっての重要課題とあわせてマッピングを行いました。その結果、「気候変動・地球温暖化対策」「環境・社会課題の解決に貢献する製品開発」「感染予防対策への貢献」「製品の品質向上と安全の確保」を、ステークホルダーとニチバングループともに極めて重要度が高いと位置づけました。

マテリアリティの特定プロセス

サステナビリティの考え方に基づき、『NICHIBAN GROUP 2030 VISION』の実現に向けた経営を行ううえで、特に重要となるテーマを3つの方法により特定しました。ニチバングループのバリューチェーンをふまえ、事業における重要性と社会からの要請や期待を念頭にテーマを選定しています。

  1. 1

    課題の抽出

    SDGsやESG 評価機関の評価項目、各種ガイドラインなどから社会課題の初期評価項目を抽出

  2. 2

    ニチバングループが取り組むべき重要なテーマの選定

    社外ステークホルダーの意見も入れて選定

  3. 3

    社内の承認

    経営戦略会議および取締役会にて審議、承認

目標KPIと実績

テーマ マテリアリティ 具体的なアクション 2023年度の実績 2024年度の目標 関連するSDGs
環境 環境、社会課題の解決に貢献する製品開発
  • 環境・社会課題の解決に貢献する製品の開発基準の策定
  • 環境を配慮した開発テーマ・新製品開発の促進
  • 製品の天然素材比率向上によるさらなる環境課題への貢献
  • 業界団体製品別算定ルール策定ワーキングへの参加
  • 既存製品の無溶剤化を開始
  • 環境対応製品の上市(グリーンナノ)
  • 業界団体算定ガイドラインを参考にした社内規定の整備
6 安全な水とトイレを世界中に
7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
9 産業と技術革新の基盤を作ろう
12 つくる責任つかう責任
13 気候変動にづ隊的な対策を
14 海の豊かさを守ろう
15 陸の豊かさも守ろう
環境負荷の低減
  • ISO14001 環境マネジメントシステムの継続運用と監査の実施
  • 新技術の創出による溶剤使用量の削減
  • 環境情報の開示
  • ISO14001の認証継続
  • ナイスタックの脱溶剤化
  • 統合報告書2023(日本語・英語)発行
  • ISO14001の維持と管理レベル・質の向上
  • 脱溶剤適用製品の拡大
  • 製造時のエネルギー使用量削減
  • 統合報告書2024(日本語・英語)発行
化学物質の適正な管理
  • 原材料のグリーン調達の推進
  • グリーン調達推進・化学物資調査依頼への対応
  • 継続して、グリーン調達の推進とお客様からの製品含有化学物質調査依頼への対応
気候変動・地球温暖化対策
  • ニチバングループのCO2排出量の削減
  • グリーン電力比率の向上、太陽光発電設備の設置
  • TCFD提言に基づく情報を開示
  • Scope1,2,3開示
  • 太陽光発電実績515[千kWh]
  • グリーン電力証書購入量11,500[千kWh]
  • 非財務情報開示内容の詳細化と拡大に向けた調査を開始
資源の枯渇への配慮
  • 原材料の有効活用による廃棄物の削減
  • 水の効率的使用及び廃水処理の管理
  • サーマルリサイクルからリサイクルへの転換
  • ゼロエミッション工場維持
  • 水資源投入量→前年度比25.2%削減
  • 製品端材のリサイクル技術実験開始
  • ゼロエミッション工場の維持
  • 水資源投入量→毎年前年度比2%削減
  • リサイクル化技術の探索
生物多様性保全
  • ニチバン巻心ECOプロジェクトの植林活動・江の川「森のしずく」保全活動
  • 「第14回 ニチバン巻心ECOプロジェクト」実施
  • ニチバン巻心ECOプロジェクトの継続実施、貢献度向上とNGOとのエンゲージメント向上
社会 製品の品質向上と安全の確保
  • ISO9001 品質マネジメントシステムの継続運用と監査の実施
  • 顧客満足の向上
  • 戦略的データ活用と社内業務生産性向上に向けた、新基幹システムの導入開始
  • 全社改善活動の推進
  • ISO9001の認証継続
  • 基幹システムを利用した工場生産計画・管理の改善
  • 受注業務の効率化
  • 生産改善活動エントリーチーム数45チーム
  • ISO9001の維持と管理レベル・質の向上
  • 営業戦略施策でのデータ活用促進
  • 生産現場におけるデジタル化の推進
  • 全社改善活動の継続
3 すべての人に健康と福祉を
4 質の高い教育をみんなに
5 ジェンダー平等を実現しよう
8 働きがいも経済成長も
10 人や国の不平等をなくそう
12 つくる責任つかう責任
労働安全衛生と社員の健康への対応
  • 健康経営の推進とKPIの管理
    • 健康経営優良法人2024認定
    • 健康経営戦略マップ及び指標と実績値を開示
    • 人的資本経営実行とKPI管理
    ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進と人財育成
    • 女性活躍と障がい者雇用の推進
    • 従業員エンゲージメント向上・組織マネジメント力強化の取り組み推進
    • 中期人財育成体系の再整備・テクニカルスキルマップを活用した必要スキルの向上
    • 女性管理職比率10.2%
    • エンゲージメントスコア46.8
    • 年次有給休暇取得率65.6%
    • 障がい者雇用率の実現と維持および、ともに成長していく職場づくり
    • エンゲージメント向上プロジェクトの継続
    • 人的資本経営実行とKPI管理
    サプライチェーンマネジメントの強化
    • 原材料原産地とのエンゲージメント強化(人権・環境問題)
    • 購買方針の徹底
    • スリランカ天然ゴム農園視察実施(品質・環境・人権労働)
    • 主要取引先への購買方針SAQ実施
    • 総合的なCSRアンケート作成に向けた調査開始
    地域・社会への貢献
    • 事業所周辺地域とのコミュニケーション活動
    • 小学校への出前授業による啓発活動
    • 障がい者支援
    • アスレティックトレーナーの育成
    • オフィシャルサプライヤーを通じた支援と怪我を防止する・テーピング技術の啓発活動
    • 「SOCCER MEDICAL CAMP」開催
    • 事業所における清掃活動
    • 小学校出前授業19校
    • 高校でのSDGs啓発授業1校
    • 「SOCCER MEDICAL CAMP」の継続
    • 事業所における清掃活動
    • 小学校出前授業の継続
    • 高校でのSDGs啓発授業の継続
    • 障がい者支援
    医療への貢献
    • 絆創膏や止血製品、ドレッシング材による感染予防への貢献
    • 能登半島地震被災地へ医療材物資の支援実施
    • 韓国を中心とした地域での止血製品供給拡大
    • 感染症予防対策製品としての止血製品の普及促進
    ガバナンス コーポレート・ガバナンス
    • 内部統制システムの整備
    • 内部統制委員会 5回開催
    • 内部統制小委員会 4回実施
    • 海外子会社内部監査実施
    • グループ会社連絡会開催(国内2回、海外2回)
    • 各部門・グループ会社での自律的な内部統制・リスク管理の強化
    • グローバル視点を含めたガバナンスの強化
    • 各部門・グループ会社での自律的な内部統制・リスク管理の強化
    • グローバル視点を含めたガバナンスの強化
    9 産業と技術革新の基盤を作ろう
    16 平和と公正をすべての人に
    コンプライアンス
    • コンプライアンスの浸透(行動ハンドブック・eラーニングによる教育)
    • 内部通報窓口の充実
    • 行動ハンドブックの作成と周知啓蒙を実施
    • ハラスメント相談者研修を実施
    • グローバルヘルプライン開設
    • グループ全体でのコンプライアンス強化
    • グローバル企業化に向けた書類の整備
    リスクマネジメント
    • 緊急時対応訓練の実施
    • BCP/BCM による安定供給体制の整備
    • 「全社緊急対策本部訓練」実施
    • BCP委員会(年2回)を実施
    • 「全社緊急対策本部訓練」の継続実施
    • BCP基本方針に基づいた事業継続計画の確立と維持運用
    情報セキュリティ
    • IT統制システムの整備
    • IT戦略会議(年4回)を実施
    • セキュリティ教育、フィッシングメール訓練実施
    • ITセキュリティ方針に則った企業活動の実施と更なる管理レベルの向上
    ビジネスイノベーション イノベーション創出
    • 研究開発組織の再編
    • スタートアップ企業の協働プログラム推進
    • 自社技術の棚卸有効活用
    • グループ社内提案制度の活用
    • アクセラレータープログラムに参加
    • ニチバン「スマートグラス」上市
    • 「Nbrain」提案数71件
    • 新製品比率目標10%台に対して実績6.2%
    • 新体制下での新製品開発推進
    • 産官学連携と新領域でのさらなるオープンイノベーションの推進
    • プロダクトイノベーション比率のKPI管理
    3 すべての人に健康と福祉を
    9 産業と技術革新の基盤を作ろう
    17 パートナーシップで目標を達成しよう
    グローバル市場へのスピーディな展開・拡大
    • NICHIBAN(東アジア・オセアニア)NICHIBAN(THAILAND)(東南アジア・ASEAN・中近東地域)NICHIBAN EUROPE(欧州全域)を含む全世界に対する新規開発活動の推進
    • 重点地域における戦略的パートナー探索・選別(業務提携・M&A)
    • 海外での止血製品、「ケアリーヴ」取扱店、取扱製品の増加
    • 感染症予防製品の販売拡大
    • FSC®認証和紙マスキングテープの販売拡大
    • 欧州環境包装ラベリングの法規への対応調査

    バリューチェーンにおけるサステナビリティの重要テーマ

    バリューチェーンにおける重要テーマ

    研究開発フロー

    ニチバンのサステナビリティ・CSR

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