人的資本経営

社員がいきいきと働ける職場づくりを進めていきます。

人的資本経営の全体像

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)

当グループは、国籍、人種、民族、宗教、性別、年齢、障がい、性的指向などの違いを受入れ、多種多様なライフスタイルや価値観を尊重するダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)を積極的に推進します。
新たな価値を創出し、従業員自身の成長と持続的な企業価値の向上につなげるために、一人ひとりが多種多様な個性を発揮し、協力し高めあうことが重要と考えます。
今後もニチバングループの理念を軸に、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)を推進し、「多様性が生み出すイノベーション」と「グローバルに躍動するグループ」の実現を目指してまいります。

女性活躍推進

当社では、働き続ける施策は整備されているため「勤続年数に男女の差はない」が、「管理職比率に男女の差がある」という課題解決に向け、第2期行動計画(2019年4月1日〜2024年4月1日)を策定、取り組みを進め、計画よりも早く女性管理職比率の目標を達成いたしました。
当社においては、目標については本計画に定めた「管理職に占める女性労働者の割合」及び「労働者の男女の賃金の差異」を掲げております。また連結グループに属するすべての会社では行われていないため、連結ベースの実績及び目標は記載しておりません。
なお、当該指標に関する目標及び実績は、有価証券報告書「第1 企業の状況 5従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。

男性育児休職推進

当社では、男女の仕事と育児の両立の支援および育児介護休業法の改正による育児休職制度の拡充を受け、男性の育児休職取得を推進しています。2023年度も継続的に取得を支援し、男性育児休職の取得率は90.5%(単体)に向上しました。
今後も従業員が柔軟に育児休職を取得できる環境を整え、男性従業員がより育児参加をしやすい環境を促していきます。

障がい者雇用および支援への取り組み

当社では、障がい者とともに成長していく職場づくりを進めています。安城工場では、障がい者のご家族とのコミュニケーション促進を目的に、仕事内容や職場の様子などを掲載した「ステップ新聞」を発行するとともに、本人がやりがいを持って働くことができる環境整備に取り組んでいます。

LGBTQ などに関する理解増進

当グループは、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)を人的資本経営における最も重要な要素に位置づけ、多様な従業員が活躍できる環境づくりに取り組んでいます。その一環として、一人ひとりがいきいきと自分らしく働くことができる職場環境の実現に向けて、ダイバーシティ研修をはじめとする、LGBTQ などに関する理解増進の取り組みを推進していきます。

経営層向けダイバーシティ・ エクイティ&インクルージョン研修を実施

研修はLGBTQ・SOG(I 性的指向と性自認)に関する知識を得るだけでなく、ハラスメントのない職場環境を経営層として実現するための貢献やDE&I推進の重要性を理解することを目的として実施しました。当研修は認定NPO法人虹色ダイバーシティと共同で実施し、経営陣や執行役員、グループ会社社長らが積極的に参加しました。学習だけでなく当事者同士のトークセッションやNG発言の事例に触れ、実感のある意見を得られました。今後、社員にも展開し、内外への意識向上と適切なメッセージの発信と企業の持続可能な成長に向け、多様性と包摂性を促進してまいります。

雇用環境の整備

当社では、社員が仕事と家庭生活を両立し、その能力を十分に発揮できるよう雇用環境の整備を行い、社員と会社双方の成長につながるよう支援しています。東京労働局長より基準適合一般事業主としての認定を受け、「次世代認定マーク」(愛称:くるみん)を取得しました。引き続き、第6期行動計画(2021~2023年度)を策定し、推進しています。

第6期行動計画目標と対策(期間:2021年4月1日〜2024年3月31日)

目標 対策
育児等を行う社員の仕事と家庭生活の両立を支援するための雇用環境の整備
  • 柔軟な働き方ができる制度の導入と環境の整備
  • 育児に関する諸制度(関連法規・社内制度)の周知啓蒙
  • 男性社員の育児休職取得促進に向けた取り組みの検討、実施
  • 女性活躍支援措置の実施
所定外労働時間削減、年休取得促進への施策推進
  • 勤怠管理システムにおけるデータの管理、周知方法の見直し
  • 勤怠データを活用した時間外労働の削減
  • 年休取得率向上に向けた取得促進の推進
若年者に対するインターンシップ等の就業体験機会の提供
  • インターンシップを定期実施

在宅勤務制度・時差勤務制度の導入

当社では、社員の多様で柔軟な働き方の推進として、2022年4月1日より在宅勤務制度と時差勤務制度を導入いたしました。
今後も、すべての社員が働きやすく、また生産性向上やワークライフバランスを実現できる環境を整備してまいります。

人財育成方針

当グループでは、「人」こそが企業活動の最大の原動力であり、重要な人的資本かつステークホルダーであると認識しています。
事業環境が急激に変化していくなか、企業の成長と持続可能な社会への貢献を続けていくためには、次なる時代をけん引するリーダーと多彩な能力を最大限に発揮する人財が必要であると考え、 働くすべての人財に対して育成、キャリア形成の充実化を図っています。
人財に求めるのはニチバングループの理念に掲げる5つの「行動指針(社会・お客様・チャレンジ・スピード・チームワーク)」の体現であり、志をもって新たな領域を切り拓き、さまざまな課題の解決に向けて自己変革し成長する自律的人財となることです。
行動指針を体現する自律的人財を育成し、「人」とニチバングループが共に成長していくことを目指します。

人財投資・研修体制

当社では、専門性と創造性に富み、新たな領域にチャレンジする意欲にあふれた人財の育成を目指す教育研修を実施しています。

人財維持リテンション

キャリア形成を支援する制度、研修やプログラムがあります。全社員を対象に、年に1回「キャリアプランシート制度」を運用しています。今後チャレンジしたい仕事や部署、そのために取り組んでいることなど、会社に自分自身の想いを伝えることができます。
役職定年(ポストオフ)を迎える社員には、「キャリアデザイン研修」を実施しています。引き続き職場で活躍し、貢献していくためのポイントを理解し、更にチャレンジするマインドと行動を強化します。多くの方が定年後も雇用延長して活躍しています。
また、新入社員やキャリア採用(中途)入社者には、スムーズに職場に馴染み、能力を発揮できるように同じ職場で働く先輩や上司がトレーナーとなって、OJT 計画書で設定した目標に向けて伴走し、1か月おきに達成状況の振り返りを行う「トレーナー制度」を設けています。人事部とも定期的に面談の機会を設けています。
この他にも、通信教育支援や資格取得奨励などの制度があります。

グローバル人財

海外事業の拡大実現に向け、グローバル人財の育成も推進しています。通信教育や語学力テストの費用補助に加え、公募研修を通して互いに切磋琢磨しながら、世界で活躍するための能力向上を図っています。

グローバルトレーニー制度を開始

この人財育成制度は、2024年度から開始され、海外で活躍できるグローバル人財を育成することを目的としています。制度は若手〜中堅社員を対象にし、海外での実務経験を通じて多様な価値観や異なるビジネス環境に適応できる能力を育成します。具体的には、海外販社での営業活動や技術支援を通じて、グローバルな視野を身につけ、ニチバンの将来を支える中核社員を育成します。さらに、海外文化やビジネスの理解を深め、真のグローバル人財としての能力を養います。

健康とエンゲージメント

ニチバングループは、基本理念を実現するためには、従業員のワークライフバランスを向上させ、健康増進、エンゲージメント向上と安全確保が最も重要な基盤であると考えています。グループ全体で従業員が安心して、いきいきと働ける職場環境を整えていくことを推進していきます。

ワークライフバランス

当社では、従業員の仕事と生活の調和(ワークライフバランス)推進の一環として、法定の年次有給休暇に加え、さまざまな休暇・休職制度を整備しています。
私傷病のための傷病休暇、子育てのための育児休職・育児短時間勤務制度、家族の介護を目的とした介護休職・介護休暇の他、勤続10年ごとに取得できるリフレッシュ休暇、社会貢献活動のためのボランティア休暇などを設けています。
また、時差勤務制度、在宅勤務制度を導入しており、従業員のワークライフバランスの向上に努めています。

健康経営

「健康経営優良法人 2024」に認定

当社は、基本理念である、絆を大切に、ニチバングループにかかわるすべての人々の幸せを実現するためには、従業員一人ひとりの心身の健康が重要と考えます。従業員がいきいきと働き、世の中に新たな価値を創出し続けられるよう、従業員の健康に注力した取り組みを推進してまいります。
当社は、経済産業省と日本健康会議※1 が主催する健康経営優良法人認定制度※2において、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、健康の保持・増進につながる取り組みを戦略的に実践する法人として、大規模法人部門で「健康経営優良法人 2024」に認定されました。2023年度に続いて2年連続の認定となります。

  • ※1
    日本健康会議とは、少子高齢化が急速に進展する日本において、国民一人ひとりの健康寿命延伸と適正な医療について、民間組織が連携し行政の全面的な支援のもと実効的な活動を行うために組織された活動体です。
  • ※2
    健康経営優良法人認定制度とは、地域の健康課題に即した取組や日本健康会議が進める健康増進の取組をもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。

健康経営の取組

  1. 1.
    生活習慣病などの疾病の発生予防・重症化予防
  2. 2.
    メンタルヘルス不調などのストレス関連疾患の発生予防
  3. 3.
    健康に対する意識向上
  4. 4.
    健康経営を推進する環境の整備

生活習慣病などの疾病の発生予防・重症化予防

 当社では、定期健康診断の受診を全従業員に促すとともに、生活習慣病の予防に向け、メタボリックシンドロームの該当者・予備群を減少させることを目的として特定健診および特定保健指導を実施しています。ニチバン健康保険組合が選定した保健指導のプログラムを、保健指導を必要とする従業員が積極的に受けられるように環境を整備し、強く参加を呼びかけ、参加率も向上しております。

メンタルヘルス不調などのストレス関連疾患の発生予防成

 当社では、年に1回、全従業員を対象としてストレスチェックテストを実施しています。その結果から従業員が自身のこころとからだの状況を認識し対処することでメンタルヘルス不調のリスクを減らすとともに、検査結果を集団的に分析し、職場環境の改善につなげ、メンタルヘルス不調の未然防止に努めています。
 また、メンタルヘルスケアとしてセルフケア、ラインケアなどの4つのケアに関して、対象者を分けて継続的に研修を行っています。

労働安全衛生

 当社では、従業員の勤怠状況、営業車両の運行状況等を毎月安全衛生委員会、衛生委員会にて会社と労働組合で共有しています。また、年2回の中央安全衛生委員会を開催し全社的な情報の共有を推進しています。

労働組合との対話

 当社は、労働組合と年に2回の中央経営懇談会、月1回の中央労働協議会をはじめとするさまざまな協議の機会を設け、経営施策の共有の他、労働条件の改善や働き⽅改⾰等、企業⾵⼟改⾰について討議し、労働組合との相互理解の推進と健全な労使関係の維持・向上に努めています。なお当社ではユニオン・ショップ制※を採用しております。

  • 労働者が会社に雇用された際に、特定の労働組合の組合員になることが条件である労働協約

エンゲージメント

従業員とのコミュニケーション(エンゲージメント)

 当社では、従業員のエンゲージメント向上に向けて、年1回の「サーベイ」とその結果に基づくエンゲージメント向上施策を実施しています。

ステークホルダー・エンゲージメント

ニチバングループは、製品をご購入いただくお客様だけではなく、従業員、株主・投資家、サプライヤー、地域社会の皆様など、多くのステークホルダーの皆様とさまざまな手段を通じて日々のコミュニケーションを大切にすることが必要だと考えています。持続的な企業価値向上のためには、いただいたご意見をニチバングループのサステナビリティ推進のために積極的に活用していきます。

エンゲージメント向上委員会・プロジェクトの運営

エンゲージメントサーベイの結果、部署内コミュニケーションは良好だが全社的な連帯感と階層間の意思疎通に課題があることが分かりました。そのため『NICHIBAN GROUP 2030 VISION』実現に向けて数々の全社的な横のつながりを築く取り組みを行い、若手同士や部長同士のコミュニケーションを促進。営業・間接部門と工場の若手の交流を目指す工場見学や営業・展示会同行、サプライヤー訪問などを実施しました。それにより、異なる部署間でも共通の課題や会社への想いを認識し、相互理解を深めることができました。

エンゲージメントスコアの推移
2022年度 46.1
2023年度 46.8
2026年度(目標) 50.0

経営層・管理職向け「心理的安全性勉強会」の実施

2023年11月のエンゲージメントサーベイで「心理的安全性」項目を追加し、一部の事業所や組織で職場での評価が低いことが判明し、直属上司や職場領域のエンゲージメント向上を阻害する可能性があると考えられました。
そのため良好なコミュニケーションを確保することを目的として、書籍「心理的安全性のつくりかた」「心理的安全性をつくる言葉55」著者らの所属する株式会社ZENTechへ委託し、役員と事業所長クラスではワークを取り入れた研修、他の管理職には座学中心の講演会を実施いたしました。

人権尊重

このページを共有する