事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、当社グループの事業上のリスク全てを網羅するものではありません。

(1)リスクマネジメント体制

当社グループでは、「危機管理方針」を制定し、事業の継続を危うくする重大な危機に対して、事前に予測・予防措置を実行し、万一発生した場合には被害を最小限に抑え、再発防止措置をとることで、危機を適切に管理し、事業の継続・安定的発展を確保できるよう努めています。
損失の危険の全社的な管理や対応については「リスク管理規則」に基づき、総務担当部署が総括的に担当し、全社的なリスク管理体制の構築、規則類の整備、運用状況の確認、情報の適切な伝達等および全社総括部署として必要な措置を講じています。
個々の損失(品質、財務等)の危険については「リスク管理規則」に基づき、当該危険の存在する各担当部署が、リスク管理体制整備、運用状況の確認等、必要な措置を講じています。
また、大規模災害等、当社グループに対する危機が生じた場合には、「緊急時対応規則」に基づき速やかに緊急対策本部を設置し、「事業継続計画(BCP)」に沿って損失の極小化および復旧に向けた対応を行うこととしています。

(2)認識している重要なリスク

当社グループでは、(1)リスクマネジメント体制のもと、全社的なリスクのアセスメントを実施し、事業や社会環境の変化に合わせて定期的にリスクの確認や見直しを行っています。その結果、以下の重要なリスクを認識しており、リスク低減のための取組みを実施しています。

  1. 1.
    原材料価格の変動リスク  発生可能性:低  影響度:中
    概要
    当社グループの製品は、プラスチックフィルム等石油を原料とするものや、紙やセロハン、天然ゴム等市況の影響を受ける原材料が多いため、原材料の価格は、自然災害、市場動向、経済情勢、燃料費、為替等の影響により高騰する場合があります。また、当該原材料の高騰について、仕入先との交渉や代替可能な原材料等によって対応できない場合には、当社グループの業績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
    対応
    原材料価格の高騰等に関するリスクを低減するために、原材料の複数社購買、原材料の市場動向等の情報収集、適正在庫の確保および生産性向上による原価低減等の様々な対応策を実施しております。また、このような対応策を実施したうえでの原材料価格の高騰に対しては、製品価格への適正な転嫁により対応する可能性もあります。
  2. 2.
    価格競争のリスク  発生可能性:低  影響度:中
    概要
    当社グループの属する市場において、市場縮小や新規参入等により企業間の競争が激化し、販売価格が下落した場合、当社グループの業績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
    対応
    価格競争に陥るリスクを低減するために、独自の高い技術力と確かな品質を軸に、地球環境に配慮した高機能・高付加価値製品をタイムリーに提供することにより、ブランド力の強化と他企業との差別化を常に図っております。
  3. 3.
    製品の品質に関するリスク  発生可能性:低  影響度:大
    概要
    予期せぬ事態により重大な品質上の問題が発生し、当該製品や当社グループの製品全体に対する評価が低下した場合、当社グループの業績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
    対応
    当社グループでは、製品の品質を保持すべく、企業理念に基づく「品質方針」を策定し、品質マネジメントシステムへの取り組みを中心とした管理のもと、医薬品・医療機器、産業資材、文具・事務用品業界向けの製品の企画、製造・仕入、販売を行っております。
  4. 4.
    新型コロナウイルス感染症等の異常事態リスク  発生可能性:低  影響度:大
    概要
    新型コロナウイルス感染拡大などのパンデミックが想定を超える規模で発生し、社会・経済活動が大幅に制限された場合、当社グループ製品・サービスの消費が大幅に抑制される状況となる可能性があります。また、当社グループの事業拠点運営が困難になったり、原材料調達等のサプライチェーンに支障をきたす状況になった場合においても、当社グループの業績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
    なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によるインバウンド消費の低下をはじめ、スポーツ、イベント等の制限、各種店舗の営業時間短縮などにより、当連結会計年度の業績に影響を受けておりますが、当該感染症の収束時期は未だ予測することが出来ない状況にあるため、将来の当社グループの業績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
    対応
    当社グループでは、複数の事業拠点・物流拠点等を設置し事業運営を行い、「事業継続計画(BCP)」および「緊急時対応規則」を整備するととともに、緊急時には従業員の安全を優先したテレワークや時差出勤等の勤務体制の推進や、Web会議システム活用による集合会議や出張・直接面談の抑制を推進できるよう異常事態に備えています。
    また、このような状況においても、増収・増益を確保するために、中期経営計画の取り組みに注力してまいります。
  5. 5.
    企業の社会的責任に関するリスク  発生可能性:低  影響度:大
    概要
    ステークホルダーからのESGを重視した経営やSDGsへの関心は年々高まっており、サステナブルな社会実現への取り組みが、今後、ますます重要となります。 当社グループが、これらの状況に適切に対応できない場合には、社会的評価の低下等により、当社グループの業績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
    対応
    当社グループでは、企業理念に基づく「ニチバングループのサステナビリティの考え方」を制定し、「ニチバングループの倫理」「品質方針」「環境方針」などの基本的方針に展開し、さまざまな事業活動を通じて企業の社会的責任を果たしていくよう取り組んでいます。
    具体的には、環境面ではISO14001を中心とした活動を堅実に遂行するとともに、「グリーン調達ガイドライン」の遵守を徹底していきます。また、溶剤使用の問題はテープ製品を扱う当社グループが担うべき課題と捉え、技術革新に挑戦しながら脱溶剤を目指します。天然素材である「セロテープ」の積極的販売を通して環境問題のさまざまな取組みを行っていきます。
    社会面では、メーカーとして「お客様にとっての『良いもの』を届ける」ことを基本に、女性活躍やワークライフバランスなど、社員が長く安心して働ける職場環境を整備していきます。さらに環境保全活動である「巻心ECOプロジェクト」やスポーツメディカル分野へのサポートなど、事業活動と密接に関連した社会貢献を推進します。
  6. 6.
    事故災害の発生リスク  発生可能性:低  影響度:大
    概要
    当社グループは、突発的な火災・爆発による事故や地震・洪水等の天災により、製造設備や物流拠点等が大きな損害を受けた場合、業績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
    対応
    本社・工場等の事業所において「緊急時対応規則」に基づき、事故災害等発生時における緊急対策本部の設置訓練や、各種保全活動など、社内体制の整備を行うとともに「事業継続計画(BCP)」への対応についても積極的に推進しています。
  7. 7.
    退職給付債務に関するリスク  発生可能性:中  影響度:中
    概要
    当社グループにおける年金資産運用において、市場金利の低下および運用環境の変化による運用利回りの悪化により、業績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
    対応
    年金資産の運用目標を達成する上で、運用利回りのリスクを最小化するように、投資対象の種類等について分散投資に努めております。
  8. 8.
    情報管理に関するリスク  発生可能性:中  影響度:中
    概要
    当社グループは、個人情報の他、多くの重要情報を保有しております。これらの情報はシステム障害や災害等により、情報の漏洩等が発生し、当社グループの業績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
    対応
    これらの情報の取り扱いについては、「ITセキュリティ方針」および「個人情報保護方針」に基づき、情報資産を事故・災害・犯罪などの脅威から守り、お客様ならびに社会の信頼に応えるべく、従業員に対し情報管理の重要性を継続的に教育するとともに、システム上のセキュリティ対策を行っております。
  9. 9.
    市場動向、需要変化等に関するリスク  発生可能性:低  影響度:中
    概要
    当社グループの製品・商品は、医薬品業界向けの絆創膏等、産業用粘着テープ業界および文具・事務用品業界向けの粘着テープ等であり、販売先は販売代理店となり、販売代理店から小売店等を通じて最終消費者に販売されることとなります。
    そのため、これらの製品・商品の主要市場における景気動向およびそれに伴う消費者の需要の変化は、小売店等の販売政策に影響するとともに、販売代理店を通じ、当社グループの販売高にも影響し、当社グループの業績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
    また、次のような特殊性があります。
    季節性のある製品・商品の入れ替え時等の小売店等の製品ラインナップの変更時に、小売店等から販売代理店を通じ、当社グループの製品・商品の返品を受け入れる商習慣があります。また、当社グループ製品の販売後に販売代理店に対して売上値引を行う商習慣があります。
    そのため、当該返品又は売上値引が多額に発生した場合には、当社グループの業績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
    対応
    当社グループは、販売代理店や小売店等からの販売データ等を活用し、製品の主要市場における景気動向およびそれに伴う消費者の需要の変化を即座に把握し、生産計画、販売政策に適宜に反映させることとしております。また、将来の返品に伴う損失に備えるため、返品調整引当金を計上することとしております。さらに、当社グループ製品の販売後に発生が見込まれる販売代理店に対する売上値引に備えるため、その見込額を計上することとしております。

このページを共有する