工場を中心に環境負荷の低減を進めています
天然素材にこだわり、環境にも人にもやさしい製品をお届けする私たちニチバンは、生産や流通の段階でも、環境へできるだけ負荷をかけないよう配慮しています。
工場・オフィスの取り組み
CO2排出量や消費電力の削減に向け、空調管理の徹底およびオフィスや工場内のさまざまな場所で使用される照明器具のLED 化を順次進めています。
オフィスでは紙や電気の使用量を見える化し、削減を図っています。また、営業車をハイブリッド車に切り替え、エコドライブを推進しています。
工場では設備更新における省エネ性能の高い機械の導入などでデマンド管理を行い、消費エネルギーの削減に努めています。また、生産方式を非溶剤方式に切り替えることで消費エネルギーだけではなく環境負荷の低減も進めています。
物流における取り組み
工場から倉庫への入庫、倉庫からお客様への出荷と幅広い物流事業を担っています。
省エネルギー、環境負荷低減を意識し、物流の効率化を図りながら、お客様へ「安心・安全・安定的に」ニチバン製品をお届けしています。
具体的な取り組みとして①輸送効率の向上、②各倉庫への適正比率による入庫、③製品廃棄の削減が挙げられます。
輸送効率の向上、適正比率による倉庫への入庫は、生産部署と課題を共有し取り組んでいます。また各営業統括部と連携して不動緩動品を抑制し、廃棄の削減に努めています。
多くの課題がありますが、省エネルギー、環境負荷低減が実現できるよう関係部署と連携を深め推進してまいります。
- <Small Action For the Future>
省エネ法事業者クラス分け制度
経産省の省エネ法クラス分け評価制度において、ニチバン、ニチバンメディカルは2022年度Aクラスでした。
今後も一層省エネに努めてまいります。
グリーン電力証書の活用
グリーン電力証書の考え方
グリーン電力とは、風力や太陽光、バイオマス(生物資源)などの自然エネルギーを用いて発電した電力を指します。一般に、石油や石炭をはじめとする化石燃料を用いた発電では、発電施設の建設や廃棄だけでなく発電時にもCO2(二酸化炭素)が発生します。一方で、グリーン電力は自然エネルギーを用いて発電することから、発電時に発生するCO2を削減することが可能です。加えて、再生可能であるために資源が枯渇する恐れがなく、環境への負荷を抑制することができます。
グリーン電力証書では、このようにして発電したグリーン電力の「電力」自体と「自然エネルギーによる発電という価値(環境価値)」を分けて取り扱います。これにより、企業はグリーン電力証書を購入することで、電力だけでなく環境価値も購入することが可能となります。
当グループおよび関連会社でのセロテープ® およびセロハン基材の粘着テープの生産に使用する電力と、本社および全国7つの営業所で使用する電力、ニチバンメディカルで生産しているケアリーヴ™ の製造で使用する電力の100%をグリーン電力化することを目的として、日本自然エネルギー株式会社より使用電力分のグリーン電力証書を購入しています。
- 日本自然エネルギー株式会社
グリーン電力証書とセロテープ®
ニチバングループでは、主力製品の一つであるセロテープ®をバイオマス発電による自然エネルギーで製造しております。
自然エネルギーを活用して製造することで、セロテープ®がもつ「天然素材由来の原料」という特徴に「天然由来のエネルギーによる製造」という新たな価値をプラスします。これにより、ニチバングループで製造するすべてのセロテープ®および、セロハンを用いた粘着テープの製造工程における環境負荷低減を実現し、サステナブルな社会づくりにより一層 貢献してまいります。
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対象 セロテープ®をはじめとするセロハン粘着テープの製造※1 及び本社・7営業拠点で使用する全電力
2023年度(令和5年度)契約量 8,300,000kWh 年間CO2削減量 3,623 [t-CO2] 発電方法 自然エネルギー発電(バイオマス) 契約期間 2023年(令和5年)4月~2024年(令和6年)3月
- ※1
セロハン粘着テープ製造に用いた電力量は自社基準にて算出しております。
水使用量
世界的に水資源の確保が重要な課題となっている中、ニチバングループでも水使用量の削減と有効利用に取り組んでいます。
国内3工場、グループ会社3社の水使用量
水資源使用量[千㎥] | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
井戸水 | 671 | 590 | 536 | 535 | 334 |
工業用水 | 140 | 159 | 148 | 135 | 161 |
上水 | 22 | 23 | 17 | 17 | 19 |
雨水 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
合計 | 833 | 772 | 701 | 688 | 514 |
前年度比削減量[%] | - | 7% | 9% | 2% | 25% |
その他の取り組み
溶剤使用量削減、脱溶剤への取り組み
安城工場において、有機溶剤を使用しないホットメルト製法を取り入れた新しいナイスタック™ とたばねら™ の生産がスタートしました。この取り組みにより、CO2排出量を既存工程の5分の1程度にまで削減する見込みです。
この製品は、安城工場での研究開発を10年以上かけて行い、環境への配慮を重視しました。有機溶剤を使わない製法の導入により、地球環境への貢献や製品の品質向上が期待されます。革新的な取り組みを通じて、より環境に優しい社会づくりに貢献していきます。

製造時に発生する剥離紙のリサイクルを実現
ニチバン株式会社と日本製紙株式会社は、粘着テープの製造で発生する剥離紙をリサイクルする取り組みを始めました。
剥離紙はリサイクルが難しく多くが廃棄されていましたが、製造段階での分別やポリエチレンを分離する技術を活用し、再生紙へのリサイクルを可能にしました。再生された段ボールは製品の梱包に使用され、資源循環型社会への貢献を目指します。