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先発品の長所・短所を設計部署メンバーで洗い出し、どのような製品仕様を目指すか、徹底的に議論しました。最終的には、通気性がよく、はがれにくいケアリーヴ_TM素材のテープと、モイストヒーリング効果（＝傷を湿潤環境にして治す）を発揮するハイドロコロイドパッドの組み合わせとし、先発品とは形状・素材構成も異なる仕様としました。一見通常の救急絆創膏と変わらない印象を与えるかもしれませんが、ケアリーヴ_TM治す力_TMこそ、「キズ傷を早くきれいに治す」と共に「使用性（フィット感・付着性・白くふやけにくい）」の観点でお客様に最も満足してただけるのではないかと考えました。治癒促進効果を謳える家庭用創傷パッドを展開するには、薬事申請が必要ですが、家庭用創傷パッドに関する薬事申請手続きが未経験であったため、開発・設計・品質・薬事・製造部門等、本プロジェクトに関連する部署が一丸となって取り組みました。

開発の中で苦労したことは、『製品名含めたパッケージデザイン』と『製造時の立ち上げ』となりまです。パッケージデザインは、特に開発部の担当者が情熱をもって対応してくれました。ケアリーヴ_TMブランドから治癒促進効果を謳える製品が登場したことが伝わる製品名と、店頭でも目立ち、お客様に製品の中身が伝わるパッケージデザイン制作に苦労しました。パッケージに表示する表現を含め、パッケージデザインを幾度も作成しては修正しました。それから、救急絆創膏を普段購入している社外の方へのアンケート調査やグループインタビューを重ねて、現在の『ケアリーヴ_TM治す力_TM』の製品名とパッケージデザインが作られました。また、製品の魅力を伝えるため、開発・設計担当者全員がケアリーヴ_TM治す力_TMの試作品を何度も評価しました。ケアリーヴ_TM治す力_TMをお客様に届けるために、安定した品質で製造することが必要となります。メーカーとして、お客様に品質の良いものを提供することは当たり前のことですが、過去に経験のない素材を用いて製造することは、難易度が高く、また想定外のトラブルが起こりました。うまくできた条件でも、翌日にはトラブルが発生するなど、製造現場の担当者とも試行錯誤しながら実験を繰り返しました。安定した生産を実現出来るようになった時の喜びと、製造現場の担当者への感謝は今でも忘れません。

企画当初のケアリーヴ_TM治す力_TMは、2014年3月の発売を目標としていましたが、実際の発売日は2012年3月と2年早まっています。これは管理医療機器の事申請制度が改正されるという情報を入手したことで、新制度を活用すれば発売時期を大幅に短縮できるのではないかということにチャレンジした結果です。ケアリーヴ_TM治す力_TMに関連する全ての部署・メンバーが協力して社内外の情報を共有し、目標達成に向けた課題・スケジュールを見える化しました。それぞれの立場で目線が異なる為、議論する場面も多くありましたが、皆の声を確認し、課題を一つ一つ解決することが重要であったと実感しております。ケアリーヴ_TM治す力_TMを発売するにあたり、私だけの力ではなく、開発や設計部門のトップによる力強い推進、チームメンバーのサポートがあったからこそ、このチャンスを活かし、早期発売を成し遂げることが出来ました。

発売1ヵ月で目標以上の売り上げを記録し、「キレイに治った」、「フィット感が良い」、「剥はがれにくく、以前使用していたものよりも良い」等、お客様から届いた声が何よりも嬉うれしかったです。企画段階で練った「コンセプト」がケアリーヴ_TM治す力_TMを通じてお客様に伝わっていることが一番の成果だと感じています。発売当初は5アイテムのサイズ展開でしたが、お客様の反響もあり、翌年には指先用とジャンボサイズを追加しました。さらに、2016年にはケアリーヴ_TM治す力_TM防水タイプも発売ケアリーヴ_TM治す力_TMシリーズとして薬局・ドラッグストア等で陳列いただけるようになりました。店頭でお客様が手に取るシーンを見かけるたびに、多くのお客様に必要とされていると思えて大変うれしくなります。

ケアリーヴ_TMブランドに限らず、ニチバンでは様々な製品を通じて多くのお客様と繋がっています。今後もお客様のことを思い描いて、高い品質にこだわり、新しい製品を届けて行きたいと考えています。