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PROJECT
STORY04

セロテープ®
による新たな価値の開発

OUTLINE

セロテープ®は70年以上販売を続けるニチバンを代表するロングセラー商品です。あまり知られていませんがこのセロテープ®、実は1948年の発売以来一貫して主原料に天然素材を使用しています。そんな本製品はSDGsをきっかけとしたブランドの再構築(リブランディング)を果たすと共に、新製品開発や更なる天然素材比率向上などによる製品のSHINKA(進化・深化)を目的として、開発/生産技術/営業が連携した「セロテープ®チーム」を結成し推進しているプロジェクトです。

PROJECT MEMBER

  • 工業品営業統括部

    2009年 入社

    法学部 現代ビジネス法学科

EPISODE 01

セロテープ®は木材パルプや天然ゴムなど高品質な天然素材を主原料としているため、プラスチック素材のテープに比べるとテープカッターで切りやすく、色々な物にしっかり貼り付ける事ができます。このような品質の良さが、セロテープ®が世の中に広がっていった大きな要因だと考えています。しかし、天然素材であるが故に品質改良については難しくなります。これまで品質の安定化という面では進化を続けてきたものの、製品開発という面ではなかなか具現化できずにいました。というよりむしろ、過去からテープカッターなど「セロテープ®に関わるアプリ」については開発を続けてきましたが、セロテープ®自体を進化させた開発には着手できていなかったのが実態です。これまで築き上げてきたセロテープ®の品質やブランドを傷つける事無く、その中で市場のニーズに答えられる製品開発を進める事にはとても気を使いながら進めているというのが現状です。

 

EPISODE 02

製品開発においては、試作品テストも含めていかにユーザーからの意見を集められるかが重要と考えていますが、この部分についてはコロナ禍の影響を受け思うように進められず苦労しています。例えば食品工場向けの開発製品であれば、使用現場や保管場所の環境(温度や湿度など)がどのような状況なのか、自動テープ貼り機を使っているのであれば機械の種類や構造を確認しなければなりません。そのような中で、どの企業も生産現場でクラスターを発生させ生産を止める訳にはいかないので訪問テストNGとなる例が絶ちませんでした。

EPISODE 03

上述した通り、天然素材を主原料としているが故にデリケートな製品であるセロテープ®を改良し新製品開発を進めるという事自体がニチバンにとって挑戦と言えます。そのような中で開発協力をいただけそうなユーザー様に対して、期待を裏切る事のないよう迅速かつ丁寧に進める事は簡単な事ではありません。例えば、表面の凹凸が激しい物にしっかりと貼り付くようにテープの粘着感が増したものにしたとします。そうする事で被着体に貼り付くようにはなりますが、テープの側面もベトベトになってしまったり、時間が経つと変形してしまうリスクが高まってしまったりします。このように開発上の課題が多くあるセロテープ®ですので新製品開発は一長一短では進みませんが、試作をする前から難しそうと感じる内容であっても、実際に試してみる事で分かってくる事もあります。色々な改良に挑戦していきながら「新しいセロテープ®の開発」を模索しています。

 

EPISODE 04

まだ具体的に新製品の発売には辿り着けておりませんが「セロテープ®チーム」として新製品開発や天然素材比率向上への検討を開発/生産技術/営業と部署を跨いで密に進められるようになった事は1つの成果と考えています。ここから1日でも早く世の中へ良い製品を提供できるようにしたいと思っています。またSDGsをきっかけとしたセロテープ®ブランドの再構築は製品開発だけではありません。ニチバンでは従前より「巻心エコプロジェクト」という環境貢献活動を続けて参りました。さらに2020年度から「Small Action For the Future」と銘打ち、新聞広告掲載、TVCMや特設WEBページ開設しセロテープ®のSDGs貢献に関する啓蒙活動を強化して参りました。このような活動もあり、「ソーシャルプロダクツアワード2020(年度テーマ:プラスチックごみ問題の解決に繋がる商品・サービス)」において大賞を受賞する事ができました。ソーシャルプロダクツアワードとは、持続可能な社会の実現に優れた「ソーシャルプロダクツ」に光をあて、社会性と商品性の両面を評価する日本で初めての表彰制度です。我々の活動を認めて頂けた本件についても大きな成果と捉えています。

 

EPISODE 05

セロテープ®はプラスチック素材のテープに比べ燃焼時のCO2排出量は約7分の1であり、プラスチックゴミ削減という観点も含め、セロテープ®を使う事でSDGsに貢献できる事をご存じの方はまだまだ少ないです。「セロテープ®でSDGsに貢献」と言うと大げさに感じるかもしれませんが、セロテープ®を使うというアクションから皆様がSDGsに取り組むきっかけを見出していただければと思います。(なので「Small Action For the Future」なんです。)
また、この啓蒙活動を進める中では「セロテープ®が天然素材である事を初めて知った。セロテープ®をぜひ採用したい。」といった問い合わせを頂く事も増え、その繋がりから開発協力をいただいている企業様もあります。このような企業様の気持ちに答えられるよう、セロテープ®ブランドが更にSHINKA(進化・深化)し魅力的なものとできるよう、製品開発を中心としてあらゆる面から取り組んでいきたいと思っています。