社長からのご挨拶

第115期の業績について

代表取締役社長
高津 敏明

平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善が継続し、緩やかな回復基調が持続いたしましたが、相次ぐ自然災害の影響が生じるとともに、米中の通商問題や英国のEU離脱問題などの影響を受け、株価や為替相場の乱高下も発生し、依然として先行き不透明な状況が続いております。
 このような先行き不透明な経済情勢のなか、当社グループにおいては、中長期経営計画【NB100】の最終年度にあたり、「確かな成長軌道のもと 重点施策をスピーディーに遂行し 結実させ【NB100】を達成する」ことを基本施策とし、次の3つの施策を推進いたしました。

①500億企業品質の確立
 *環境・CSR・ガバナンス体制整備によるブランド向上
 *予防視点での安全安定と品質向上の追求
 *「100周年事業プロジェクト」のP・D・C・A
②研修室・絆未来ラウンジを活用した人財育成
 *基礎マネジメント力および専門スキルの向上
 *世界に通用するグローバル人財の育成
 *ポスト【NB100】を見据えた後継者の育成
③『創造開発型企業』の実現
 *短中期開発課題の上市実現と財務成果の創出
 *中長期開発課題の的確な推進
 *ポスト【NB100】に向けた成長戦略の布石構築

 以上の取組みを実施いたしました結果、
 売上高は、メディカル事業の拡大により、前年同期比2.6%増の474億1千7百万円となりました。
 営業利益は、売上高の増加はあったものの、新工場の立ち上げ等による減価償却費増および原材料価格、エネルギーコスト上昇により売上原価が増加したことや、販売費及び一般管理費が一時的に増加したことで、前年同期比16.6%減の36億8千4百万円となりました。
 経常利益は、営業利益減の影響により、前年同期比16.6%減の38億6千万円となりました。
 親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益減の影響はあったものの、医薬品生産工場および研究施設の建設に係る補助金収入等があったことにより、前年同期比2.0%増の31億9千3百万円となりました。
 自己資本当期純利益率は前年同期比0.6ポイント低下の9.2%となりました。

 メディカル事業のヘルスケアフィールドにおきましては、ドラッグストアを中心とした大衆薬市場における大手ドラッグチェーンの業務提携化や一部医薬品、商品の小売価格競争の影響に加えて、自然災害の影響や、インバウンド需要の回復遅れにより市況は停滞傾向でありました。鎮痛消炎剤 “ロイヒつぼ膏” シリーズについては、業界初の鎮痛消炎クリーム剤のロールオンタイプ「ロイヒクリーム フェルビ」を発売し、新テレビCMを展開し認知度向上に努めましたが、売上は前年並みとなりました。高機能救急絆創膏 “ケアリーヴ” シリーズは、キャンペーンやテレビCMを中心とした販売促進活動を展開し、“ケアリーヴ治す力” シリーズの伸張と合わせ、売上は好調に推移いたしました。

 医療材フィールドでは、医療機関向け医療材料市場における医療費削減の傾向により、衛生材消耗品に対するコスト要求は依然として強く、厳しい販売環境でありました。医療現場のニーズを取り入れて製品化いたしました極低刺激性サージカルテープ「スキナゲート」、フィルムドレッシング材「カテリープラス」および注射や点滴治療時の保護・止血製品 “セサブリック” シリーズの販売は堅調に推移し、手術後の傷あとケアテープ「アトファイン」等の手術後トータルケア製品 “アスカブリック” シリーズは順次採用件数を増やし、売上は順調に推移いたしました。

 テープ事業のオフィスホームフィールドにおきましては、文具事務用品市場における官公庁やオフィスでの需要回復が見られず、学校学童向けの需要減少も続いているため、依然として厳しい販売環境となりました。当フィールドの主力製品であり、発売70周年を迎えました「セロテープ®」については、パッケージデザインを10年ぶりにリニューアルし、販売促進キャンペーンを展開して営業を進め、売上は前年を若干上回りました。また、パーソナル需要向けのキッチン雑貨 “Dear Kitchen(ディアキチ) ” シリーズでは、キッチン用品売り場にて積極的に販売を進めました結果、売上は好調に推移いたしましたが、フィールド全体での売上は前年並みに留まりました。

 工業品フィールドでは、産業用テープ市場における米中貿易摩擦の激化や中国をはじめとする世界経済の減速懸念の強まりを背景に落ち込みが懸念されましたが、自動車産業向け塗装マスキングテープ製品や電子部品の製造工程で使用される電気用テープ類の売上は堅調に推移いたしました。「セロテープ®」や包装用テープ製品については価格改定を実施し、収益改善に寄与いたしましたが、売上は前年並みに留まりました。注力しているフードパックテープについては食品スーパーなどへの採用を進めた結果、フィールド全体での売上は前年を若干上回りました。

 また、海外事業におきましては、欧州地域での販売事業の拡大および成長戦略を推し進めていくため、2019年1月にドイツのデュッセルドルフに駐在員事務所を開設し、情報収集と市場調査を実施しております。また、タイ・バンコクの販売子会社NICHIBAN (THAILAND) CO.,LTD.による販売拡大とあわせ、高機能救急絆創膏“ケアリーヴ” や止血製品 “セサブリック” シリーズなどのメディカル事業製品と、塗装用和紙マスキングテープや関連会社UNION THAI-NICHIBAN CO., LTD.にて製造しております「Panfixセルローステープ」などのテープ事業製品の海外販売を進めております。

第116期の取組みについて

 今後の当社グループを取り巻く経営環境については、個人消費は堅調な雇用環境を受け、底堅く推移しておりますが、2019年10月に予定されている消費税増税や、米中における通商問題の影響など、先行きは依然として不透明な状況であります。
 このような状況のなか、当社グループは、2019年より新たな「ニチバングループの理念」を策定するとともに、新中期経営計画【ISHIZUE 2023 ~SHINKA・変革~】をスタートし、『NICHIBAN GROUP 2030 VISION』実現に向けて取り組んでまいります。

 今後とも当社グループの業績向上にご期待いただき、ご指導・ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

2019年6月

代表取締役社長 高津 敏明

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