社長からのご挨拶

代表取締役社長
高津 敏明

平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦などの通商問題や日韓情勢の悪化、消費税増税および世界的な新型コロナウイルスの感染拡大による影響など、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
このような状況のなか、当社グループにおいては、2019年度より新たな『ニチバングループの理念』を策定するとともに、快適な生活を支える価値を創出し続け、グローバルに貢献する企業を目指した「NICHIBAN GROUP 2030 VISION」実現に向けて、その基盤を構築するための新中期経営計画【ISHIZUE 2023 ~SHINKA・変革~】を推進いたしました。

  1. 1.
    中長期成長エンジンの確立、イノベーション創出
    • イノベーション創造推進
    • 新規事業の創出
    • コア技術の深化・探求
    • 新TDS製剤の事業化実現
    • 研究開発推進体制の転換、市場顧客インサイト分析・マーケットイン開発強化
  2. 2.
    グローバル市場へのスピーディな展開・拡大
    • グローバル事業推進体制・海外事業基盤の確立
    • 商流獲得および事業拡大策としての業務提携・M&A活用
    • グローバル人財積極獲得、育成
  3. 3.
    事業推進体制の見直しと収益改革
    • 顧客を基軸とした事業推進体制の見直し
    • 営業利益・将来事業性視点の製品・活動スクラップ&ビルド、特販事業見直し
    • 経営資源の最適配分(設備投資・要員配置)
  4. 4.
    事業戦略推進に向けたAI・IoTの積極活用
    • 戦略的データ活用~経営目標を達成する情報(データ)の戦略的活用~
    • 業務プロセス変革~事業の付加価値を産み出す業務プロセス変革対応~
    • 事業環境変化への対応~将来の事業環境変化への柔軟な対応とリスク低減~
  5. 5.
    将来の持続的成長を担う人財育成
    • ヒトを成長させる人をつくる
    • 専門スキルの強化
    • 次世代経営層の養成

以上の取り組みを実施いたしました結果、
売上高は、日韓情勢の悪化によるメディカル事業のインバウンド需要の鈍化や、米中貿易摩擦などに起因する企業心理の冷え込みによるテープ事業の需要低迷、さらに、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、前年同期比7.1%減の440億6千3百万円となりました。
営業利益は、売上高の減少に加え、BCP対応や最適生産体制を目的として物流拠点を再編したことによる移送費等の増加により、販売費及び一般管理費が増加したため、前年同期比19.2%減の29億7千5百万円となりました。
経常利益は、営業利益減の影響により、前年同期比19.8%減の30億9千5百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、福島県いわき市の工場用地の売却に伴う売却益はあったものの、営業利益減の影響に加え、旧大阪工場における建物解体工事および土壌・地下水汚染の除去等があったことにより、前年同期比45.1%減の17億5千1百万円となりました。
自己資本当期純利益率は前年同期比4.4ポイント低下の4.8%となりました。

メディカル事業のヘルスケアフィールドにおきましては、ドラッグストアを中心とした大衆薬市場におきましては、大手ドラッグチェーンによる経営統合協議が開始されるなど業界再編の先行き不透明な状況が続きました。
このような状況のなか、高機能救急絆創膏“ケアリーヴ”シリーズの売上は、認知拡大を目的とした「ケアリーヴ治す力」のテレビCMや「緑と青のケアリーヴ治す力キャンペーン」等を実施し、前年を上回りました。しかし、鎮痛消炎剤“ロイヒつぼ膏”シリーズの売上は、日韓情勢の悪化にともなうインバウンド需要の急激な低迷により、前年を大きく下回りました。

医療材フィールドでは、医療機関向け医療材料市場におきましては、医療費削減の傾向により、衛生材消耗品に対するコスト要求は依然として高く、厳しい販売環境でありました。
このような状況のなか、術後ケアをトータルサポートする“アスカブリック”シリーズの売上は、前年を大きく上回りました。また、高透湿性フィルムドレッシング“カテリープラス”シリーズの売上も、低刺激の価値が受け入れられ、前年を上回りました。しかし、フィールド全体としての売上は前年を下回りました。

テープ事業のオフィスホームフィールドでは、文具事務用品市場におきましては、消費税増税、米中貿易摩擦などの通商問題や日韓情勢悪化に対する警戒感から企業心理が一段と冷え込み、オフィス向け・学校学童向け需要ともに減少を続けており、厳しい販売環境でありました。
このような状況のなか、注力しているキッチン雑貨ブランド“ディアキチワザアリテープ”シリーズの売上は、販売促進活動を全国の雑貨店や大型スーパーに対し行ってまいりましたが、需要が伸び悩み、前年を下回りました。「セロテープ®」は、「セロテープ®小巻カッターつき<まっすぐ切れるタイプ>」など付加価値のある製品を大手チェーンに対し販売活動を進め、前年並みの売上となりました。

工業品フィールドでは、産業用テープ市場におきましては、米中貿易摩擦や中国経済の減速に対する警戒感、世界的な半導体需要の減少を背景に設備投資の先送りが出始め、全体として厳しい販売環境となりました。
このような状況のなか、塗装マスキングテープ製品の売上は、消費税増税の反動により新車生産が減少し、前年を下回りました。また、食品結束用「たばねらテープ」の売上も、台風19号など自然災害による青果物などへの影響があり、前年を下回りました。

また、海外事業におきましては、アジアおよび欧州を重点取り組み地域としておりますが、日韓情勢の悪化、中国経済の減速や香港での市民デモなど販売環境の先行き不透明な状況が続きました。このような状況のなか、高機能救急絆創膏“ケアリーヴ”や止血製品“セサブリック”シリーズなどのメディカル事業製品と、「Panfixセルローステープ」や塗装用和紙マスキングテープなどのテープ事業製品の販売チャネルの構築と製品育成に注力し、マーケティング活動および地域需要に対応した製品開発を進めました。また、ドイツのデュッセルドルフ駐在員事務所にて、欧州地域での販売事業の拡大および成長戦略を推進するため、情報収集と市場調査を実施するとともに、タイ・バンコクの販売子会社NICHIBAN(THAILAND) CO.,LTD.にて、さらに大きな需要が見込めるASEAN(アセアン)地域へ高機能救急絆創膏“ケアリーヴ”シリーズの販売拡大に努めてまいりました。

第117期の取り組みについて

今後の国内経済の見通しは、米中貿易摩擦の影響や消費税増税による企業・消費者心理の冷え込みに加え、日韓情勢の悪化、新型コロナウイルスの感染拡大など先行きは不透明で、当社を取り巻く環境は予断を許さない状況であります。このような状況のなか、当社グループは新中期経営計画【ISHIZUE 2023 ~SHINKA・変革~】を推進し、重点テーマである「イノベーション創出」「グローバル展開・拡大」「AI・IoT積極活用」「人財育成」を実行し、「NICHIBAN GROUP 2030 VISION」実現に向けて取り組んでまいります。

今後とも当社グループの業績向上にご期待いただき、ご指導・ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

2020年6月
代表取締役社長 高津 敏明

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